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妊娠・出産等に関するハラスメントの防止措置の内容について

平成28年8月2日に、事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針等が公布されました。
この指針は、妊娠・出産等に関するハラスメント防止措置の適切かつ有効な実施を図るために定められたものです。

平成29年の1月1日から、事業主の方は、この指針に従い、妊娠・出産等に関するハラスメント防止措置を適切に講じなければなりません。

◇妊娠・出産等に関するハラスメント防止措置の内容について
◇防止措置の対象となる言動について

◇職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策やセクシュアルハラスメント対策

<対応事例>

● ハラスメント対策は、制度を作っただけで完成するものではありません。また、有効な対策は会社ごとに異なるものであり、法律の内容に沿って、会社の実情を踏まえて対策を充実させる努力をし続けましょう。

● 周知・啓発は、一度行えば良いというものではありません。
・管理職層を中心に階層別に分けて研修を実施する
・正規雇用労働者だけでなく、パート、アルバイト、派遣労働者などの非正規雇用労働者も対象に含めて研修を実施する
・新入社員の入社時期、異動の多い時期に合わせて研修を実施するなどにより、すべての労働者に対して周知を図る工夫をしましょう!

● 社内ネットワーク上に周知文書を掲載する例も見られますが、掲載されていることを労働者が知らないということであれば周知しているとは言えません。掲載や更新の都度、その旨をメール等で全労働者に周知することが必要です。

● また、社内アンケートなどで労働者の意識やハラスメントの実態を把握したり、社内の対策について意見を聞くことは、職場におけるハラスメントの未然防止や働きやすい職場環境の整備に役立ちます。

就業規則に委任規定を設けた上で、詳細を別規定に定めた例

<就業規則の規定(例)>

第□条 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメントの禁止 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメントについては、第○条(服務規律)及び第△ 条(懲戒)のほか、詳細は「妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメントの防止に関する 規定」により別に定める。

<詳細について定めた別規定(例)>

- 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメントの防止に関する規定 - 

(目的)
第1条 本規定は、就業規則第□条及び男女雇用機会均等法、育児・介護休業法に基づき、職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメントを防止するために従業員が遵守するべき事項並びに妊娠・出産・育児休業等に関する言動及び性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等を定める。

(妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメントの定義) 
第2条 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントとは、職場において、上司や同僚が、従業員の妊娠・出産及び育児等に関する制度又は措置の利用に関する言動により従業員の就業環境を害すること並びに妊娠・出産等に関する言動により女性従業員の就業環境を害することをいう。なお、業務分担や安全配慮等の観点から、客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動によるものについては、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントには該当しない。
2 セクシュアルハラスメントとは、職場における性的な言動に対する他の従業員の対応等により当該従業員の労働条件に関して不利益を与えること又は性的な言動により他の従業員の就業環境を害することをいう。また、相手の性的指向又は性自認の状況に関わらないほか、異性に対する言動だけでなく、同性に対する言動も該当する。
3 前項の他の従業員とは直接的に性的な言動の相手方となった被害者に限らず、性的な言動により就業環境を害されたすべての従業員を含むものとする。
4 第1項及び第2項の職場とは、勤務部店のみならず、従業員が業務を遂行するすべての場所をいい、また、就業時間内に限らず、実質的に職場の延長とみなされる就業時間外の時間を含むものとする。

(禁止行為) 
第3条 すべての従業員は、他の従業員を業務遂行上の対等なパートナーとして認め、職場における健全な秩序ならびに協力関係を保持する義務を負うとともに、職場内において次の第2項から第4項に掲げる行為をしてはならない。
2 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント 
 一 部下の妊娠・出産、育児・介護に関する制度や措置の利用等に関し、解雇その他不利益な取扱いを示唆する言動
 二 部下又は同僚の妊娠・出産、育児・介護に関する制度や措置の利用を阻害する言動
 三 部下又は同僚が妊娠・出産、育児・介護に関する制度や措置を利用したことによる嫌がらせ等
 四 部下が妊娠・出産等したことにより、解雇その他の不利益な取扱いを示唆する言動
 五 部下又は同僚が妊娠・出産等したことに対する嫌がらせ等
3 セクシュアルハラスメント
 一 性的及び身体上の事柄に関する不必要な質問・発言
 二 わいせつ図画の閲覧、配付、掲示
 三 うわさの流布
 四 不必要な身体への接触
 五 性的な言動により、他の従業員の就業意欲を低下せしめ、能力の発揮を阻害する行為
 六 交際・性的関係の強要
 七 性的な言動への抗議又は拒否等を行った従業員に対して、解雇、不当な人事考課、配置転換等の不利益を与える行為
 八 その他、相手方及び他の従業員に不快感を与える性的な言動
4 部下である従業員が妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメントを受けている事実を認めながら、これを黙認する上司の行為

(懲戒)
第4条 次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める懲戒処分を行う。
 一 第3条第2項又は第3条第3項一から五までのいずれか若しくは八の行為を行った場合
   就業規則第▽条第1項1から4までに定めるけん責、減給、出勤停止又は降格
 二 前号の行為が再度に及んだ場合、その情状が悪質と認められる場合又は第3条第3項六、七の行為を行った場合
   就業規則第▽条5に定める懲戒解雇

(相談及び苦情への対応)
第5条 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメントに関する相談及び苦情処理の相談窓口は本社及び各事業場で設けることとし、その責任者は人事部長とする。人事部長は、窓口担当者の名前を人事異動等の変更の都度、周知するとともに、担当者に対する対応マニュアルの作成及び対応に必要な研修を行うものとする。
2 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメントの被害者に限らず、すべての従業員は妊娠・出産・育児休業等に関する就業環境を害する言動や性的な言動に関する相談及び苦情を窓口担当者に申し出ることができる。
3 対応マニュアルに沿い、相談窓口担当者は相談者からの事実確認の後、本社においては人事部長へ、各事業場においては所属長へ報告する。報告に基づき、人事部長又は所属長は相談者の人権に配慮した上で、必要に応じて行為者、被害者、上司その他の従業員等に事実関係を聴取する。
4 前項の聴取を求められた従業員は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。
5 対応マニュアルに沿い、所属長は人事部長に事実関係を報告し、人事部長は、問題解決のための措置として、第4条による懲戒の他、行為者の異動等被害者の労働条件及び就業環境を改善するために必要な措置を講じる。
6 相談及び苦情への対応に当たっては、関係者のプライバシーは保護されるとともに、相談をしたこと又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いは行わない。

(再発防止の義務)
第6条 人事部長は、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメント事案が生じた時は、周知の再徹底及び研修の実施、事案発生の原因の分析と再発防止等、適切な再発防止策を講じなければならない。

附則 平成○年○月○日より実施

就業規則に明記されていない事項をパンフレットなどで周知した例

就業規則の懲戒規定が定められており、その中で妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュ アルハラスメントに該当するような行為が行われた場合の対処方針・内容などがすでに読み込めるものとなっている場合には、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント及びセクシュアルハラスメントが適用の対象となることをパンフレット、チラシ、社内報、社内ホームページなどで周知することで措置を講 じたことになります。

<パンフレット(例)>

ハラスメントは許しません!!
◯年◯月◯日
株式会社◯◯◯
代表取締役 ◯◯ ◯◯
1 職場におけるハラスメントは、労働者の個人としての尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為であるとともに、労働者の能力の有効な発揮を妨げ、また、会社にとっても職場秩序や業務の遂行を阻害し、社会的評価に影響を与える問題です。妊娠・出産・育児休業等に関する否定的な言動は、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの発生の原因や背景になることがあり、また、性別役割分担意識に基づく言動は、セクシュアルハラスメントの発生の原因や背景となることがあります。このような言動を行わないよう注意しましょう。 2 我が社は下記のハラスメント行為を許しません。
  「就業規則第◯条1他人に不快な思いをさせ、会社の秩序、風紀を乱す行為」とは、次のとおりです。
  <妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント>
 一 部下又は同僚による妊娠・出産、育児・介護に関する制度や措置の利用を阻害する言動
 二 部下又は同僚が妊娠・出産、育児・介護に関する制度や措置を利用したことによる嫌がらせ等
 三 部下又は同僚が妊娠・出産等したことによる嫌がらせ等
  <セクシュアルハラスメント>
 四 性的な冗談、からかい、質問
 五 わいせつ図画の閲覧、配付、掲示
 六 その他、他人に不快感を与える性的な言動
  「就業規則第◯条2他人の人権を侵害したり、業務を妨害したり、退職を強要する行為」とは次のとおりです。
  <妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント>
 七 部下による妊娠・出産、育児・介護に関する制度や措置の利用等に関し、解雇その他不利益な取扱いを示唆する行為
 八 部下が妊娠・出産等したことにより、解雇その他の不利益な取扱いを示唆する行為
  <セクシュアルハラスメント>
 九 性的な噂の流布
 十 身体への不必要な接触
 十一 性的な言動により社員等の就業意欲を低下させ、能力発揮を阻害する行為
  「就業規則第○条3暴行、脅迫、傷害、賭博又はこれに類する行為及び恥辱等の行為」とは次のとおりです。
  <セクシュアルハラスメント>
 十二 交際、性的な関係の強要
 十三 性的な言動に対して拒否等を行った部下等従業員に対する不利益取扱いなど
3 この方針の対象は、正社員、派遣社員、パート・アルバイト等当社において働いているすべての労働者です。妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメントについては、妊娠・出産等をした女性労働者及び育児休業等の制度を利用する男女労働者の上司及び同僚が行為者となり得ます。セクシュアルハラスメントについては、上司、同僚、顧客、取引先の社員の方等が被害者及び行為者になり得るものであり、異性に対する行為だけでなく、同性に対する行為も対象となります。また、被害者の性的指向又は性自認にかかわらず、性的な言動であればセクシュアルハラスメントに該当します。相手の立場に立って、普段の言動を振り返り、ハラスメントのない、快適な職場を作っていきましょう。
4 社員がハラスメントを行った場合、就業規則第△条「懲戒の事由」第1項、第2項に当たることとなり、処分されることがあります。その場合、次の要素を総合的に判断し、処分を決定します。
 一 行為の具体的態様(時間・場所(職場か否か)・内容・程度)
 二 当事者同士の関係(職位等)
 三 被害者の対応(告訴等)・心情等
5 相談窓口職場におけるハラスメントに関する相談(苦情を含む)窓口担当者は次の者です。電話、メールでの相談も受け付けますので、一人で悩まずにご相談ください。
 また、実際に生じている場合だけでなく、生じる可能性がある場合や放置すれば就業環境が悪化するおそれがある場合や上記2に当たるかどうか微妙な場合も含め、広く相談に対応し、事案に対処します。
 ○○課 ○○○(内線○○、メールアドレス○○○)(女性) △△課 △△△(内線△△、メールアドレス△△△)(男性) ××外部相談窓口 (電話××、メールアドレス×××)  相談には公平に、相談者だけでなく行為者についても、プライバシーを守って対応しますので安心してご相談ください。
6 相談者はもちろん、事実関係の確認に協力した方に不利益な取扱いは行いません。
7 相談を受けた場合には、事実関係を迅速かつ正確に確認し、事実が確認できた場合には、被害者に対する配慮のための措置及び行為者に対する措置を講じます。また、再発防止策を講じる等適切に対処します。
8 当社には、妊娠・出産、育児や介護を行う労働者が利用できる様々な制度があります。派遣社員の方については、派遣元企業においても利用できる制度が整備されています。まずはどのような制度や措置が利用できるのかを就業規則等により確認しましょう。制度や措置を利用する場合には、必要に応じて業務配分の見直しなどを行うことにより、上司や同僚 にも何らかの影響を与えることがあります。制度や措置の利用をためらう必要はありませんが、円滑な制度の利用のためにも、早めに上司や人事部に相談してください。また気持ちよく制度を利用するためにも、利用者は日頃から業務に関わ る方々とのコミュニケーションを図ることを大切にしましょう。
 所属長は妊娠・出産、育児や介護を行う労働者が安心して制度を利用し、仕事との両立ができるようにするため、所属における業務配分の見直し等を行ってください。対応に困ることがあれば、本社人事部○○課、△△に相談してください。
9 職場におけるハラスメント防止研修・講習も行っていますのでふるってご参加ください。

社内の取り決め(就業規則)

就業規則について

常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督 署長に届け出なければならないとされています。就業規則を変更する場合も同様に、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。


会社の規模・成長に合わせて社内の取り決めを整える必要です。その最たるものが就業規則になります。

  • 就業規則を一回作っただけで、その後は見直しをしてない。
  • 従業員が増えてきたけど、就業規則って必要なの?
  • 就業規則を見よう見まねで作ってみたけど、これでいいのか不安

など、就業規則についてあまり危機感を持っていないのは要注意です。

昨今の労働問題、とりわけ不当解雇、未払い残業代、サービス残業などについては、関心が高まり続けており、問題が表面に出やすくなってきています。
事業主の方は、「知らなかった」では済まされなくなってきています。こうした問題を起こさないためにも、何がよくて、何が悪いかを,専門家に診てもらうことが最善です。

  • 従業員の意見を取り入れた就業規則を作り、従業員の意識が高まった
  • 給与の計算方法が明確になり、不公平感がなくなった
  • 問題社員への対応がスムーズにできるようになった
  • 就業規則があることで信頼度が高まった

など、就業規則を定め、正しく運用することで、会社・従業員双方の満足へと期待することができます。


就業規則の構成

一般的な就業規則の構成例と各章の内容です。

  • 第1章 総則
    総則には、一般的に就業規則の作成の目的や適用範囲等を規定します。

  • 第2章 採用、異動等
    採用、異動等については、一般的に採用に際しての手続に関する事項、試用期間、労働 条件の明示、人事異動、休職に関すること等を定めます。

  • 第3章 服務規律
    服務規律及び遵守事項については、就業規則に必ず定めなければならない事項ではありませんが、職場の秩序維持に大きな役割を果たすことから、会社にとって労働者に遵守させたい事項を定めてください。

  • 第4章 労働時間、休憩及び休日
    労働時間、休憩及び休日に関することは、就業規則の絶対的必要記載事項に当たります。

  • 第5章 休暇等
    年次有給休暇等法定の休暇のみならず、会社で設けている休暇については就業規則に必 ず定めることが必要です。

  • 第6章 賃金
    本規程例と異なり、賃金に関する事項については、就業規則本体とは別に定めることも できます。その場合、別に定めた規程も就業規則の一部になりますので、所轄労働基準監 督署長への届出が必要となります。

  • 第7章 定年、退職及び解雇
    退職に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項に当たります。そして、労基法第 89条の退職に関する事項とは、任意退職、解雇、契約期間の満了による退職等労働者が その身分を失うすべての場合に関する事項をいうと解されています。

  • 第8章 退職金
    退職金制度は必ず設けなければならないものではありませんが、設けたときは、適用される労働者の範囲、退職金の支給要件、額の計算及び支払の方法、支払の時期などを就業規則に記載しなければなりません。

  • 第9章 安全衛生及び災害補償
    安全衛生及び災害補償に関する事項は、就業規則の相対的必要記載事項に当たりますのでこれらの定めをする場合には、必ず就業規則に記載しなければなりません。

  • 第10章 職業訓練
    職業訓練に関する事項は、就業規則の相対的必要記載事項に当たりますのでこれらの定めをする場合には、必ず就業規則に記載しなければなりません。

  • 第11章 表彰及び制裁
    表彰及び制裁について、その種類及び程度に関する事項は、就業規則の相対的必要記載事項に当たりますので、これらについて定めをする場合には、必ず就業規則に記載しなけ ればなりません。

  • 第12章 無期労働契約への転換
    平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が、同一の使用者との間で通算で5年を超えて繰り返し更新された場合は、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)へ転換します(労働契約法第18 条)。無期労働契約への申込みは、申込みをしたかどうかの争いを防ぐため、 書面の様式を整備することをおすすめします。